1. MAGAZINE
  2. 「キャリアを重ねるごとに高まるリカバリーと睡眠への意識。」
NEW PICK UP

vol.4

「キャリアを重ねるごとに高まるリカバリーと睡眠への意識。」

プロフィギュアスケーター
コラントッテ レスノ アンバサダー

宇野昌磨さんは、2018年の平昌オリンピックで20歳にして初出場し銀メダルを獲得、さらに2022年の北京オリンピックでは銅メダルを手にするなど、誰もが認めるトップスケーターです。2024年5月に引退を発表した際は、前年の世界選手権で2連覇を果たしていただけに、多くのファンを驚かせました。そんな宇野さんは10代の頃からコラントッテの愛用者であり、コラントッテ社は彼の引退後も引き続きスポンサーを務めることを公表。今回は、宇野さんにリカバリー方法や今後の展望についてお話を伺いました。

まずは己の疲労度を知ることから。

いま自分は26歳。アスリートとしてはまだ若い方だと思うんですが、それでも10代の頃と比べると、やっぱり体の回復力は落ちています。今日100パーセントの練習をしたとすると、次の日は90パーセント、その次の日は前日の90パーセントといった具合に、毎日全力を尽くすことが難しくなる。そこでリカバリーの大切さが身に染みるようになりました。

体のコンディションに関して、ジャンプの出来不出来だけでは測りきれないところがある。スケートはメンタルの影響も大きいスポーツで、再現性が少ないため、ジャンプがうまくいかないと「心の状態が悪いのかも」と精神的な原因に目が向きがち。そこで、最近は腕立て伏せを疲労の指標として使っています。ハードな練習をこなした後などは、回数がグンと減ってしまう。疲れからくるパフォーマンスの低下がどれほど大きいのか、実感しますね。

リカバリーの鍵はやっぱり睡眠。

リカバリーにおいて何より大事なのは、よく寝ること。普段の睡眠時間は8〜10時間くらいで、まわりと比べても多い方なのかなと。睡眠をおろそかにすると、スケートに欠かせない平衡感覚が乱れたり、脳から体に伝達するスピードが落ちたりします。仮に時間がとれない場合でも、効率的な睡眠をとることを心がけています。

と、偉そうに語っているものの、現役の時は睡眠時間を削ってゲームをすることもしばしば。睡眠がパフォーマンスに与える影響を痛感していました(笑)。実は寝つきが悪いので、眠れない時間はゲームをしようかなと思ってしまうんですよね。

入眠時に違和感のない着心地。

今もコラントッテ レスノのリカバリーウェアを着用していますが、とにかく触り心地が良い。自分はいったん寝ると深い眠りに入り、ちょっとした光や音では目が覚めませんが、最大の難関は入眠時。肌に触れているものがいちいち気になってしまうので、パジャマの肌触りは重要です。内側の凹凸生地も、肌触りの良さに一役買っていると感じました。肌にペタッとくっつくと眠りに入ることができず、ついゲームに手を伸ばしてしまいそう(笑)。このウェアは「眠る際に違和感がない」という点で、ものすごく助かる存在です。

ウェアに磁気がついていて、血流をよくしてくれると聞きました。自分で自分の血流を体感することは難しいのですが、少なくともコラントッテ レスノのウェアを使い続ける中で肩が凝ったことはないですし、寝起きも常にスッキリ。正直、「10代の頃にこれと出会っていれば」と思ってしまいます。

もっとも自分の体がいつもと違うなと感じるのは、練習でたくさん体を動かして長時間移動したあと、車からおりる瞬間。ずっと同じ体勢をとっているので、信じられないほど体が凝り固まっている。血流が滞るとこんなに違うものなのかと。移動時にこそリカバリーウェアが必須だと思います。特に海外遠征の時なんかは現地に着いてから試合までの日程に余裕がないので、少しでも移動中にケアしておきたいんです。

現役時代に未練なし。今後は自分らしい表現をさらに磨いていく。

現役を引退した今、寂しさはまったくありません。良い経験も悪い経験も、今の自分にとって必要なものでした。日々の練習に後悔がないからこそ、「もっとああやっておけばよかった」と思うことも一切ありません。

つい先日、テレビ番組で自分のキャリアを振り返る機会がありましたが、色々あった中でも世界のトップレベルで戦い続けた自分を誇らしく思いました。まわりから「もっとできたんじゃないか」と思われる時期もあったかもしれませんが、不確定要素が多い世界でこれだけ安定した成績を残したのは我ながら素晴らしいことじゃないかなと。大会で上位になった時に褒められるのは嬉しいのですが、それだけが正解ではありません。そこに至る過程、自分なりに目指してきた道が大事だと思っています。

現役時代は、常にジャンプに追われる感覚がありました。フィギュアスケートは全ての要素で失敗が許されないため、試合にかかるプレッシャーがとてつもなく大きい。強くならなきゃ。でもうまくいかない。そうやって自分自身を追い込んでいくうちに日々の練習も苦しくなっていきました。

でも、ある時にふと気づいたんです。気持ちを楽にしてスケートに向き合うことで、より多くのことが前に進むのではないかと。真剣に向き合っているからこそのシフトチェンジ。そこから自分らしいやり方を見つけて、表現の部分にも重きを置くようになりました。今後は表現の部分をさらに磨いていきたいですね。まだまだ伸び代があると感じています。